提灯Labについて

『提灯Lab』の、意味と今後の展開

提灯Labは、わたしがこれまで歩いてきた道のりと、これから静かに照らしていきたいテーマをまとめた、小さな私設の研究室のような場所です。

政治や歴史の表と裏、日本文化の根にある精神性、
人の心の弱さや、時代が残していく歪み。

そうしたものを、強すぎる光ではなく、
提灯のような“やわらかな灯り”で照らしていければと思い、この名前を選びました。

以前のブログ名は「私の昭和奏鳴曲」として「私の昭和」でした。

昭和という時代の空気と、家族の歴史がわたしの原点であり、そこから多くの文章が生まれてきたことは変わりません。ただ、今はその輪郭を少し広げ、昭和だけでなく、令和の揺れや、この国の未来まで見つめていく場所にしたいと感じています。

なぜ「提灯」なのか。

ここには、わたしが長く考えてきた日本人の宗教観や文化への想いが込められています。燈明という言葉には、清らかさや神仏への献灯という意味があります。

しかし、その清らかさはときに“理想のための清らかさ”でもあります。
人である以上、心が乱れることもあれば、穏やかでいられないときもあります。

それなのに「心が清らかでなければならない」という前提が置かれると、どうしてもそこに嘘が生まれます。わたし自身、そういう“形の清らかさ”を否定はしないし、“形も”清らかなことは良い事だと思います。

しかし、形だけ合わせることこそが「是」という考え方には、疑問符が付くと考えています。誤解のないようにひとこと加えるとすれば、形から入り、それを「継続していく」うちに、身になることは往々にして起こりえます。

伝統やしきたり、決められた所作や手順、それらにはすべて意味があり、形から入る真理があることも理解しています。

それはとても崇高なことであるとも考えています。

しかし、日常生活の中での、決めつけや印象操作になりがちな“形”が、あまりにも多いのが、現代社会なんじゃないかとも考えているということです。

時代を超えて、足元を照らし続けた提灯

提灯の灯りは、人々の足元を照らし、祭りや祝いの夜にも、誰かを励ます時にも、黙って寄り添ってきました。提灯は日本だけの文化ではありません。古代中華文明の影響を受けた国は、みな提灯の文化があります。

しかし、日本の場合、かなり様々な場所や目的で、それぞれのスタイルがつくられながら多用に使われています。神仏の道を照らす意味合いだけではなく、日本では、神仏と共に集う人々の灯となっています。

人が歩き、人が祈る場所にそっと灯ってきたものです。日本では、路上で生きる糧を求める人たちから、武家・大名、将軍、そして天皇に至るまで、身分を超えて提灯の灯りが使われてきました。

人々は提灯を掲げて天皇陛下の行幸をお迎えし、祝い、祈りの行列をつくり、家々では小さな灯りをともして故人や神々に想いを伝えてきました。そこには、儀式という堅い言葉だけにとどまらない、人間の素直な祈りのかたちがありました。

わたしは、この“身分も思想も関係なく、同じ灯りを囲む”という日本の宗教観をとても大切に感じています。

神は人の上に君臨する絶対的な唯一神ではなく、人とともにそこにある灯りの中に宿るもの。多くの魂の良心の集合体とでもいいましょうか……。

燈明とは、寺社に供える火だけではなく、提灯の灯りもまた燈明であり、神と民が同じ灯りを共有するところに“和合”が生まれる。それこそが日本の平和観であり、祈りのかたちであると感じます。

清らかさは形式ではなく、人がともに灯りを囲む姿に宿る。自らを上に位置させなければ収まらない神は、本来の神ではない__と、そういう考えに近い生き方を、わたし自身がずっと探してきました。なぜなら、そういう神こそ、民の手で上座にあげ奉り、感謝し学ぶ対象だからです。

この「提灯ラボ」という名前には、
・時代の闇の中でも足元を照らす灯り
・身分や立場を超えて同じ光の下に集う日本の文化
・神仏と人が隔てられていない宗教観
・わたし自身の人生の回り道すべてを照らす小さな灯り
そんな意味を重ねています。

ここでは、政治や社会の構造、日本文化の裏側、歴史の断片、人の心の揺れなどを、私が見てきた時代と、様々な世界の人々のかつての命を、灯篭の灯りに変えながら、私自身は、提灯の灯りのように、強すぎない光で照らしていく場所にしたいと思っています。

Podcastもここから再開します。

わたしの視点から見た日本と世界、そしてこの世界、あの世界、未知の世界の話も含めて、個人的な体験や小説の背景も、静かに話していく予定です。

提灯ラボは、わたし自身が歩んできた回り道を照らす灯りであり、これから出会う人々の数は多くはないでしょうが、どこかでほっとできる光になればうれしく思います。

提灯の灯りは強くはありませんが、
そんな風に、ゆらゆらと灯る場所にしていこうと思っています。
私自身の灯は、もう長くないので……。


↑提灯Labのキャラクターイメージ画像といったところ。